言葉の戯れの中に 1

 

 

言葉の 戯れの中に 愛を感じて 眠れなくなる時があります 

あなたに出会えた事は・・・

星の瞬きに 思いを馳せて 数億年の彼方で また 

あなたと出会えたなら きっとこの想いが 永遠である事の証でしょう

 

 

椿

「四十雀をよく見てごらん!」「ネクタイしてる様に見えるだろう?」

「鳴き方はツーピーツーピーだよ」

「ほおじろはどうしてその名前か知ってるかい?」

「僕はかわせみのブルーが好きなんだよ」

「あの鳥はコゲラって言うんだきつつきの種類だよ」


貴方が教えてくれた事全部忘れない

手を繋いで歩いた場所 椿の小枝を髪に差してくれた

ポトンと落ちるその花がほんとは嫌いだった でも好きになってしまったよ

優しい目が私を見ていたから わざと石ころを蹴ったのに

人指し指が顎を上に向けた

季節って同じ景色を作り出すから 残酷なんだと椿を見て思った

 

 

 助手席の風に 靡いた 髪に ちょっと躊躇った左手が 優しく 触れた・・・

けれど あなたの瞳は遠くの 水面を見つめていただけだった・・・

 

 

展望台に登る階段で ふいに 私をおんぶした 手を延ばしてごらん 枝にさわれるよ!

目の前の 花びらに 春を感じた そして あなたの背中にも・・・

爪先を地面に下ろしたなら あなたが遠くなりそうで恐かった

私を見つめて 桜色と言って微笑んだ瞳

あれから 桜の季節を何度通り過ぎたんだろう

 

 

雨の日のあなたは 私の傘を探す 遠くからでも判る様にって選んだ明るい色の傘

雨の日をわざと選んで行った水仙の咲く公園で 甘い香りと冷たい風を交互に感じながら  

二人で冬の日の想い出を作ってしまったんだね

 

 

愛が始まったあの頃 岩に腰かけて お弁当を食べた 

肩越しの 海が眩しいと言ったのは ほんとは あなたの 優しい笑顔を見れなかったから・・・・

ドラマみたいに木切れで砂に書いた あなたの言葉は すぐに波が消去っていったけど

私の胸には消えずに残っているよ 海を見るたびに思い出す 

この砂浜に続く足跡を歩いて行ったなら あの日に辿り着くでしょうか・・・

 

 

もう会わない 私の言葉に 頷いたあなたがいた・・・

3日目の帰り道 飛込む見慣れたナンバープレート 

思わず触れた あなたの頬は 時間の苦悩で変わっていたね

暗い路(未知)への1歩を 覚悟したのは きっと あの日だったんだろうね

 

 

忘れ物

ビルの2階にある喫茶店で 他愛のない おしゃべりが続いた

もうすぐ帰る時間だ・・・途端に切なさが込み上げる

それなのにあなたは 「出たら右と左だよ」と言った

黙って下を向き あなたの後の階段を降りる2段下で立ち止まり

「忘れ物ー」と言って振り返る・・・きょとんとしてる私

野球帽のつばをクルッと後ろに回し 抱きしめて キスしてくれた

身長差2段分 ちゃんと計算してあった・・

 

 

記憶喪失

膨大な宇宙の塵でしかない私の 一瞬とも言えるこの時間に出会ってしまった人達

めくるめく日々を忘れてしまう術を持ち併せていない愚かな人間は 

命が絶たれるその時間まで

胸の片隅の記憶の棚にせっせと順序を並べ替えつつ納めていく 

ボロボロになったそのファイルには修復の後がある 

そうしてまで残す理由が何処にあるというのだろう 

グシャグシャに丸めてポイッと捨てる簡単な作業を 

どうして選んではしまわないのだろう? 

記憶喪失はほんとは何と素晴らしい事か・・・ 

この世では忘れてしまえるという幸せの方が 

遥かに憧れとして存在すると思う

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